うだるような暑さの中、お昼前からキンダーフィルムフェストという子供のための映画祭に出かける。知人がスタッフで駆けずり回っていたのを知っていたし、知人の撮ったドキュメンタリー映画が上映されるので。
生憎、スケジュールの都合でその映画は観ることができなかったけれど、マイケ・デ・ヨングという監督の「私の青い鳥」と深川栄洋監督の「狼少女」の二本を観る。最後には深川監督の舞台挨拶なんかもあったりした。
「私の青い鳥」は主人公メレル役の女の子が最高に可愛いくってスクリーンに釘づけ。思春期の様々な葛藤みたいなものがよく演じられてた。
「狼少女」(click!)は主人公の男の子と美少女の転校生、「見世物小屋」の狼少女では?と噂されるいじめられっこの女の子の友情物語。後の舞台挨拶で監督がこの映画の時代背景は70年代前半とおっしゃってたのが頷けるくらい私が子供の頃過ごしていた風景と被ってて興味深かった。わかる人はあまりいないかもしれないけれど、「あばれはっちゃく」とか「ズッコケ三人組シリーズ」の感じ。
私が幼い頃は神社のお祭りのときそれこそ「見世物小屋」がやってきていて、「蛸女」だの「狼少女」だのとおどろおどろしいナレーションが境内に響き渡っていた。怖いんだけどちょっと見てみたいような、だけど強がってあんなのウソ、作り物に決まってる!って言ってみたり。大人から頭ごなしに見るな、行くなと言われると、見てみたくなるし行ってみたくなるのが子供心なんだよなあ。
それにしても作品の製作にあがた森魚さんが絡んでたり、見世物小屋のおどろおどろしいナレーションをする団長が田口トモロヲだったり他にも馬渕英里何、大塚寧々、利重剛・・・なんて結構私のツボな配役だったりして楽しんだ。音楽も崎谷健次郎なんてああ、懐かしい。
肝心な子供たちといえば、ただただストーリーに引きずり込まれて喜んだり、怖がったり、悲しんだり。とっても面白かったそう。


会場をあとにすると少し日も翳ってきていたので、子供たちとしばらくインクラインを歩く。気持ち悪くなるくらい葉っぱという葉っぱ、枝という枝あちこちにくまなく蝉の抜け殻がついている。耳にジンジンするほどの蝉の鳴き声を聞きながら、子供たちと誰が一番線路の上を長く歩けるか競争して帰る。