今日は中秋の名月。カーテンの隙間から降りそそぐ月の光は驚くほど明るくて、夕食を食べながら食後にお月見をしようと子どもたちと話し合う。
夕食後に見た月は大きくて、ほの白くて「はあー」と溜息が出るほどの美しさ。昼間にやってきた激しい雨が空気の澱みをすっかり洗い流してくれて、透明な澄んだ空気の中にぽっかりと浮き上がる大きなお月さま。二女が「お母さん、餅つきしてるウサギの耳がはっきり見えるね。ほら、あそこらへん!」と指差す方向を見ながら長女と声を揃えて「ほんとだねえ」と頷き合う、そんな夜。
その後は今日二女がお邪魔した友達のおうちで一緒につくらせてもらったという、お月見ぼた餅。ちゃあんと家族の分4つお土産に持たせてくれたお餅を味わう。美味しかった。ごちそうさまでした。
昨日は二女の幼稚園の最後の運動会。早朝から弁当こしらえて8時前には出かけたり、競技準備の係だったり、大盛り上がりで綱引きやリレーしたりしたので、今日は少々疲れ気味。それでも小学生の長女以外はいつも通りのスケジュールだったのでいつも通り弁当二つ作り、幼稚園の送迎。二女を幼稚園に送っていった後は土曜の運動会の代休の長女と本読み合戦をした。長女が図書館から借りてきていた「ねずみ女房」を読んでいたら不意に涙がぽろぽろと溢れ出す。私の心の琴線にまさに響いた本で「この本、母さん好きだー!」と言いながら長女を抱きしめたまましばらくめそめそしていた。うーん、この感覚は女性ならすごく理解できるのではないかしら。そして一言一句として無駄のない素晴らしい石井桃子さんの訳にも感動した。
さっき明るい月を見ながら、ふと、ねずみの女房がかごの中のハトを逃がしてあげた晩もこんな月夜の晩だったのかしら、なんて思ったりするくらい私はこの本に打ちのめされている。
誇りを持つこと。夢を持つこと。そして夢を強く思い続けること。私にはそんな強さ、備わっているかしら。

ねずみ女房 (世界傑作童話シリーズ)

ねずみ女房 (世界傑作童話シリーズ)