天気もすっきりしないし、ふとプラネタリウムに行きたくなった。先日仰いだ夜空の雲の切れ目から、満天の星空が垣間見えたときがあって、無性にそれらを線でつなぎたいような衝動に駆られたことがあって。
なんだろうなあ、私がプラネタリウム好きなのは。自分で星をたどってつないで星座として認識したりするときは、古代の人々も同じ星空を眺めながら神話と絡めてストーリーを組み立てていたのだというそのドラマチックな作業に感嘆するし、何よりもあるべきところにある恒星を確認できるという安心感。それでももしかしたらその恒星はとっくの昔に光を放つのを止めていて、でも私の目に届くまでのタイムラグのおかげで私はその星を目にすることができて・・・なんて考え出すとゾクゾクする。私が絲山さんの「アーリオ オーリオ」をすごく好きだった理由がここにあるような気がする。
途中、視界に浮かび上がるのは恒星だけ、あとは暗黒の世界という瞬間が何度かあって、ものすごい浮遊感を味わう。星と私とが暗黒の世界に輪を描きなが浮かび上がっているような錯覚。「ウオー!!」って叫んでる小学生たちがいたので、きっと彼らも同じ気持ちを味わっていたに違いない。
うっとりして家に帰ると、一冊の本が届いている。先日のボランティアの活動通信の記事を読んだ活動家の人から、「読んでみて、何を思うか聞かせてほしい。」とのこと。えー!宿題かあ。去年のベストセラーだった「国家の品格」が一冊。一気に現実に引き戻される。
ハラカミさんの一枚でも聴いてしばし余韻に浸ることにする。

Lust

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国家の品格 (新潮新書)

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