あっという間に六月も半ば。しっとりと湿り気を含んだ空気が私に纏わりつくけれど、気温が低いせいかそう不快にも感じず、青々と茂った木々の緑のシャワーを浴びながら快適に通勤できている毎日。
先週は誕生日で、ついに30代最後の1年を迎えてしまった。歳を重ねていくことはいろんな経験値があがるという意味では嬉しいけれど、肌の感じとか髪の毛の白髪が混じる感じとか鏡を見ると悲しくなることが増えた。一応私も女のはしくれなので。
そんなこんなでおめでとうコールをくれた妹と久々に長電話。映画「奇跡」の話になって、「九州では先行ロードショーだった」だの、「是枝監督とまえだまえだがすぐ近くの映画館に舞台あいさつに来たけれど、入場整理券当日まで残ってたらしい。いかにも熊本、ゆるいよねー。」などと話した。で、肝心の新幹線のすれ違うところはどこなの?という話になったのだけど、「そこそこ、うちの裏のトンネルのところ!まえだまえだたちがロケに来とらしたって。」「えー!」妹もゆるいなー。そんなこんなで、九州新幹線のCMの話をした。
九州新幹線はあのCMを見れば伝わるとおり、九州みんながずっと待ち望んでいたもの。脚色なく、みんなの気持ちや九州人の情の厚い感じ、人のいい感じがよく出ているよね。他の土地の人はあまりわからないかもしれないけれど、沿線上の土地ごとの人柄みたいなのも垣間見えるよね。博多近くになってくるとそれが薄らいじゃうんだけどね。なんて話をする。
私の中には今も九州人の熱い血が流れていて、関西という土地でも私を支えてくれてる。若いときはそんな土臭いかんじが嫌でたまらなかったけれど、今はむしろ愛おしい。
「お前は他のもんより強い。そこが武器や。」と一方的に上司らから言われ無理難題を叩きつけられるけれど、たぶんそれは私が強いのではなくて、九州人が強いことと関係している。心で泣いているようなときこそ、歯をくいしばって笑顔。悲しいけれど、そういう性格が染みついているのだろうな。