昨日は月一回の当番の仕事へ。ユルユルな仕事なので合間に読書。保坂さんの「この人の閾」を。
やっぱり私はこの人の書くこういう世界が大好きで、一つの短編であるこの作品を3回くらい繰り返して、その度に違う部分に引っかかって彷徨いながら読む。本当に楽しい時間。会話の一言一言を漏らさず受け止めながら、大切に大切に読む。
そして私は、このダイアリーを読んだ本なんかを忘れないという名目でつけている自己満足な日記といってはいるけれど、心のどこかでは多分誰かに私という存在を知っていて欲しいと思いながら書いている日記なのだと気付かされる。たとえ本を読み、色々な何かを感じ取ったとしてもそれが私の頭の中にだけ保存され、それこそ私が死ねば焼かれて灰になって何もなくなる。言葉にして記してそれが残ることで、私なりの在処みたいなものが見つかればいいなんて気持ちが漠然とでもあって始めたのだろう。その割には毎日垂れ流しの文章だし、読んだ本について私の頭の中で感じたことが書いてあるかと言えばそうでもない。まあ、それもそれでいいのだろう。
今日は朝からしっとりとした雨。子供のスイミングを送っていった先で母仲間とおしゃべり。散々私の性格について「変わっている、何にも考えてないやろー」などと言われ、全て血液型がB型であるせいにされ笑われた。うん、確かに生活一般のことは流れに任せている感じで、面倒くさいからあまり考えてないよ。でもこんな本読むと逆にいろんなことが頭の中を駆けめぐってぐるぐる回る。みんなそんなことは知らないのだし、この日記にくらい記しておこう。

この人の閾 (新潮文庫)

この人の閾 (新潮文庫)