週末はうだうだ。夕べなんか10時間睡眠なんかしてしまう。ああ、よく眠ったあー。
昼間は夫は私用で出かけ、子どもたちは一日中外でご飯を食べる間も惜しんで遊ぶ。私は窓から入ってくる心地よい五月の風を感じながら、ソファで読みかけの本を読んで過ごす。ああ、この上ない幸せ。
少し読んで、読むのがもったいなくって止めてた絲山さんの「エスケイプ/アブセント」を一気に読む。こういうのは集中して一気に読めるときに読まないともったいないのだ。
もう、しびれるなあ。絲山ワールド。セリフがいちいちカッコイイ。

あんたに自由はあるのか。おれにはある、ポケットのなかに、かわらけ一枚分の価値しかない自由がね。
悪いな、おれは必死だよ。でも必死って祈ることに少しは似てないか。

ここら辺でノックアウト。
それに正臣と和臣の接点になっている比叡山と琵琶湖、何といっても自分がいつも目にしてる風景なので嬉しい。私の立っているところは、正臣に投げ捨てられた壊れた「自由」とやらが転がってきてるとこだ。いつも信号待ちする角のタバコ屋は和臣がピースライトミディアムを買ったタバコ屋かもしれない。なーんて思いながらホクホクして読む。
その他にも以前住んでいた周辺の福岡の地名もちらほら。別府橋、荒江、よかトピアの終わった頃の福岡タワー、マリゾン周辺。平和台球場だって目を閉じるとすぐに風景が浮かぶ。今の福岡の街よりよっぽどだ。

エスケイプ/アブセント

エスケイプ/アブセント


読み終わったまったりしてた夕方に、突然GWに夕飯をご馳走した新人君から電話がくる。実家からとっておきの佐賀牛が送ってきたので持ってくるとのこと。まあ、美しいサシの入った佐賀牛。海老で鯛を釣るとはこのことだ。悪いねえ。といいながらちゃっかり頂く。いただきまあす!