財布の整理をしていたら、映画の半券がばらばらと出てきたのでメモしておく。

日付が新しい順で並べてみる。

アメイジング・グレイス

圧倒的な声の力にひれ伏すしかない映画。しらずしらずのうちに目頭が熱くなった作品

ブータン山の教室

ブータンの村の人々のきらきらした瞳に癒された、何か忘れていたものを思い出させてくれた作品。よかった。

・ミナリ

もう20年くらい前に亡くなった祖母を思い起こした。泊りにいった夏休み、夜中に目が覚めて、寝てるおばあちゃんの横で眠れなくなったあの日を思い出した。

ノマドランド

しんどい映画だった。一人の世界。

あの子は貴族

石橋静河役の設定がよかった。また、偏屈な男子を、偏屈な九州男児の中で育った高良くん(高良君は悪くない)が演じていて、違和感がなかった。ひとくくりにしてはいけないけれど、九州男児ジェンダーギャップについてもっと意識すべきだと考えてしまった映画。また、門脇麦ちゃんがよい。もっとたくさんの人に見てもらうべき映画だったと思う。

窮鼠はチーズの夢を見る

大倉君ファンには悪いけど、成田君との演技力の差を感じてしまった映画。二人とも体当たり演技ですごいなあ、と思った。

ミッドナイトスワン

草なぎくん、すごいなあ。演技に説得力がある人だと思った。

テネット

頭フル回転で疲れた。

はちどり(二枚!)

すごく好きで2回も見に行ってしまった映画。というのも、いちばんよい場面(ウニの病室に先生がお見舞いに行く場面)で感情移入しすぎて、極度の緊張状態に陥りお腹が痛くなり、トイレに駆け込まざるをえなくなった。それくらい、私を追い込んだ場面だった。すごく好きな映画。あの、思春期の女子の何にぶつけどころもない感じを表す場面(だれもいない部屋で体ぶらぶらもてあましながら、ワーワーいう場面)はほんとに共感したし、寝転んだ部屋でソファの下にケンカの跡形(ガラスの破片)見つけるところとか、思春期特有の、子どもなのにお母さんに甘えられなくなったさみしい感情、孤独感(名前を呼ぶのに気が付いてもらえなかったり、家のドア叩くのに開けてもらえない描写等)ほんとに素晴らしい映画だった。娘二人と見に行ったのだけれど、とにかくこの映画について話が尽きなかったのを思い出した。

ストーリー・オブ・マイライフ

パラサイト

他にも見た映画あったかもしれないけれど、財布に収まっていたのはこれだけの半券。

書き出してみてわかるけど、私は女流監督の作る映画が結構好きなんだな。

 

ここ数日すごく気分が落ち込んで、身体の調子も悪い。6月ってほんとに気分が落ち込む。週末のジョギングも休んで、友人から誘われていたランチもキャンセルし、この週末は現実逃避のようにリモートでもくもくと仕事をしていた。だれにも声をかけられることなく自分の仕事を着々と終わらせたい。このことが、今の私にとっては一番のストレス解消。ここ数日仕事が終わらなくて、どんどん仕事が積みあがっていく様に頭を痛めていたので。しかし、完全に頭がいかれている。

音楽も楽しんで聞くことができないし、何をどう楽しめばよいかもよくわからない。どうやったら気分が軽くなるのか、方法が分からないよ。これが俗にいう更年期というものか。コロナ禍で自由に無邪気に出かけられなくなったことも影響しているのだろう。また、毎週楽しみにしていたドラマが終わってしまったのも大きい。私と同年代の大豆田とわ子さんと蒲原トキコさんの物語。どちらも胸にささる内容で、家族と自分、周囲の人と自分の関係を考える中で、すごく共感する部分があった。特に私たち40代後半の女たちは、団塊の世代の母親の鬱屈とした気持ちを見ながら育っていて、その経験が、知らず知らずのうちに、少々のことではへこたれない40代女子を作り出しているのだろうね。

それにしても・・・やりたいこと考えよう~狭い焼き鳥屋で肩寄せ合いながら、同僚とワイワイ話しながらキンキンに冷えたジョッキビール早く飲みたいな。娘たちの推しのアーティストのライブにも娘たちと一緒に行きたいな。家族で海外旅行にも行きたいな。とにかく、何かこの鬱屈した気分を吹き飛ばすような起爆剤になるようなことがしたいな。いつの日にできるようになるかな。

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ここ一年私の休日の日課は、ドライブ、ジョギング、映画鑑賞、囲碁トーナメント鑑賞、おっさん化はなはだしい、笑。

土曜日の朝は、たいてい夫と二人で、新車で少し離れたところまで夫と農産物を買い出しにいくことで始まる。田んぼに囲まれた道を走りながら、はるか向こうに見える山々の景色と夫との何気ない会話がささくれた日常を癒す。

ジョギングもずっと続けている。ナイキのランクラブのアプリのおかげで、私のジョギング生活は、驚くほど管理しやすくなった。ジョギングに対するモチベーションを上げてくれる。週末ランナーにも関わらず月平均30キロ以上、多い月には80キロも走っていた。中毒化していること甚だしい。何がよいって、ランニングしている間は何も考えなくてよいこと。景色、街角の風景、季節の風、音楽、それだけ。体の中に淀んでいた邪気が汗とともに流れ落ちていくような気がする。

碁はぜーんぜん分からないけど、高校生のときに、同じクラスメイトに囲碁の全国大会で入賞した人がいて、一度教えてもらったことはある。一力君、芝野君、息子ほどの年頃の子たちがふんふん言いながら碁を指している姿を見ると、その頃を思い出してなんか嬉しくなる。しかし、よくわからないなりに継続して鑑賞しているとだんだんわかるようになってくるもの。一つの指し手で優劣がひっくり返るのもわかるようになって、なんだかおもしろい。

映画鑑賞は週1で映画館に通っている。ほんとうにいい映画がラインナップされていると思うのに、近所の映画館は瀕死の状態だとみてとれて、いたたまれない。5人上客が入っているのを見たことがない。貸し切り状態もざら。今日見た「ミナリ」は5人、「藁にもすがる獣たち」は私一人、「あの頃」も5人いたかな??土日にもかかわらず、だ。どれもよい映画ばかり。どうか生き残ってほしい。映画館なくなったらこまる。

先日みた、「あのこは貴族」は本当に素晴らしかった。ほんとうによかった。その前後にニュースで国会中継夫婦別姓の議論を繰り広げている女性議員同士のやりとりを見ていて、本当に気分が悪くなって暗い気分になったところだったので、本当にこの映画はタイムリーで心にしみた。とかく世の中は女同士を敵対させて、本来向かうべきエネルギーを消耗させ、議論すら成り立たなくさせる。まあ、それは女、男関係ないことかもしれないけど。

この映画での石橋静河が本当によかった。私はあんな人でありたい。好きなシーンは、彼女がヴァイオリニストとして出演したパーティーの場で、マカロンタワーの頂上のマカロンを口に運び、マカロンの代わりにタワーの頂上に花をのせちゃうシーン。あのシーンは、水原希子ちゃんが彼女とつながりたいと興味を持ついい場面。お嬢様の概念の枠を平気で超えちゃう人の象徴の場面。敵対しない女子たち。穏やかに敵対しない関係を見ていたい。

上の娘が独り暮らしを始めた。ついこの間生まれたばかりと思っていたのに、気がついたらそんな年齢になっていて、ほんとに驚く。コロナ禍で今年の春、夏は家族4人で過ごすことも多かったので、彼女の独り立ちは、家族の解散会にも似ていて複雑な気持ちだったのだが、いつものように緊急の仕事がうまい具合に入ってきて、最後の晩餐すらできないまま引越作業に移行して感傷的にならずにすんだ。助かったというのが、正直な気持ち。しかし、毎日夜中まで聞こえていた彼女か弾き続けるギターの音はもう聞こえない。
彼女がすみ始めた街は、私が九州の片田舎の女子中学生だった頃に憧れた街で、その地名も付近の駅の名前も私が克明に覚えていた土地だ。当時私が好きだったアーティストが大学生時代に過ごした土地で、何の因果かその街に娘が住みはじめた。人生っていろいろぐるぐる廻っていておもしろい。
今週末は法事で実家に帰省したので、私が中学生当時に購入した当時好きだった(今も人として好きだけれども)アーティストブックを眺める。娘の住んでいる街にまつわる彼のエピソードを読んで不思議な気持ちになった。

気が付いたら7月も終盤、一年の残りの方が少なくなっている。

去年の今頃は、「こんなに暑い中ほんとにオリンピックなんてできるんかね~??」なんてのんきに笑いながら話し、刺すような日差しにクラクラしながら歩き回っていたものだけれども、そんな当たり前の世界はこの半年ですっかり変わってしまった。

受験が終わった二女は大学生となったけれども、入学式、サークルの勧誘、新しい区間の定期券・・・普通にある予定だったものが全てなくなり、リモートで受ける授業とレポートに追われる日々を送っている。長女も同じく。マラソンサークルの活動も全て止まり、行く予定だった野外フェスのチケットの払い戻しを行う等、好きなライブにも行けず悶々と過ごしているうちに前期試験。テレビでは若者がウイルスを媒介する悪者のようにいわれているけれど、私の知っている娘周囲の若者たちは、静かにこの時が過ぎるのをこらえて過ごしている人ばかりだ。

夫と私は何も変わらない。私たちは中間管理職で、他の人がリモート勤務でも管理係として毎日出勤。普通に起きて、お弁当作って、仕事行って、帰って、寝る。ただ、家族で過ごす時間が多くなり、以前よりも精神的に豊かになったような気がする。

そんな中、娘たちと久しぶりの映画館。広い映画館に私たち親子3人だけだった。「ストーリー・オブ・マイライフ」私が子供の頃胸をときめかせながら繰り返し読んだ小学館若草物語の挿絵がリアル映像でよみがえっていることに興奮。娘たちは、この映画のお母さんと娘たちのやりとりが我が家のやり取りと似てるね~と。ほんと。

劇中現在と過去の回想シーンが行ったり来たりするのだけれど、私たちもしばらく時間が過ぎれば、こんなコロナ禍を過ごした日々を懐かしく回想したりするものかしら。

 

 

 

 


映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』本編映像

 

 

 

サブスクで音楽を聴くようになって、新しい発見が。久々に私の脳天をぶち抜く、痺れた音楽。

娘に話したら、既に2月のライブのチケットを入手しておられた。血は争えないな~


芸術と治療 // Urakami Souki


未熟な夜想 (Lyrics Video) // Urakami Souki

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気が付いたら年の瀬になっていた。今年はいつまでも暖かかったし、受験生の娘がいるので、いつまでも冬なんか来なければいいのに・・・なんて母娘で現実逃避していたけれど、そうもいかず季節はいきなり冬になった。気が付けばセンター試験まであと1か月。大学入試についての話題は毎日世の中に溢れているけれど、来年の受験生や来年も受験生となる可能性のある当人たちにはおかまいなしの議論が繰り広げられている。不安だけを駆り立てる。お陰で今年の受験生である娘たちの学年は、安全志向。手堅く推薦入試で決まった子も多いようで、まだ何も決まっておらず、模試の合否判定結果が芳しくない娘も私もかなりナーバスになっている今日この頃。

最近の私は黙々とジョギングにいそしんでいる。ジョギングアプリとSpotifyのお陰で今の私のジョギング生活は相当充実したものになっている。用事のない週末に20~30㎞、月にトータルで50~60㎞くらい走るのだけど、セレクトしてくれる好みの音楽をシャッフルしながら、乾いた冷たい空気の中を黙々と走るのは気持ちいい。娘の受験が終わったら、フルマラソンにエントリーしよう。

最近はまっていること1つ目はkirinjiの新譜。 

cherish(通常盤)

cherish(通常盤)

  • アーティスト:KIRINJI
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: CD
 

 やっぱり、堀込高樹氏は凄い。私にずっと刺激を与えてくれるというか、社会人、職業人としてどう進化していくべきか課題を与えてくれる人。

「あの娘は誰?」とか言わせたい の歌詞の世界観がすごい。彼は女という生き物をどういうふうに理解してこんな歌詞書くんだろう。「メスとコスメ」の時の女の欲深さや嫉妬深さ、「千年紀末に降る雪は」の時の弱者といわれるような人が社会を冷めた目で傍観している感じ。今までの作品の随所とリンクしているようで、ほんとうにおもしろい。また、彼はラ行と拗音の発音が独特というか、すごくセクシーで(それはこれまでファンの間でも周知の事実かもしれないけれど)、そこをわかっていて言葉をセレクトしてる、言葉遊びしている感じで、本当に素敵。他の曲にもそれは一様に感じられて、グルーブ感のあるチガさんのベースとゆみきちゃんのカッティングが冴えるギター音の隙間に、ぐにゃ、ピタッとはまる感じで、聴いていて気持ちいい。めっちゃかっこいい。

最近は待っていること2つ目は、朝の連続テレビ小説「スカーレット」

子ども時代からのひとつひとつのエピソードが、何一つ無駄なく主人公を作り出すパーツになっていて、すごいなと思う。脚本の力って偉大だな。「いだてん」もそうだったけれど、脚本ってこんなに大きなパズルのピースピースをつなぎ合わせるみたいに作り出していくものなんだと感心。そして、そうやってつなげたパズルに色を付けたり、生身の血の通った人物に仕立てる役者さんも、すごい。朝から泣きながら見てる。「カーネーション」以来のはまりよう。

そんなこんなで年の瀬、今年もこうして暮れていく・・・