春、はる、ハル!
一緒に駅まで歩く長女が、「お母さん、お母さんの好きな春の匂いがしてきたね。」というので深く息を吸い込むと、どこからか沈丁花のにおい。「ほんとだね。今度こそ春が来るのかな?」なんて返事をしながら、二人で4月から始まる新しい生活のことを話す。志望高校に無事合格した娘は、いよいよ4月から電車通学を始めることになる。それなのに今朝も、「塾に行って友達とおしゃべりした夢見たー」「○○くんと、○○ちゃんと一緒におしゃべりしながら塾から帰る夢見たー」なんて言って起きてくる娘は、完全に塾ロス症候群。合格したのも束の間、すぐにでも塾に行って友達とおしゃべりしたいのだそう。LINEだけでのやり取りでは、物足りないよーとのこと。しんどかった分、塾の仲間たちと一緒に楽しい受験勉強生活が送れたのだろう。
母親である私は、1月から3月初旬にかけて仕事がひどく忙しく、土日出勤はあたりまえ、23時くらいに帰宅する日々が続き、家人から労働基準監督署に届け出ねば!などと言われながら過ごす冬だった。娘の受験のために生活を朝型に整えるとか、夜食を準備して風邪をひかないように部屋を暖めておくなど、一般的な母親が受験生にしてあげるようなことは一つもできていなくって、家人にも呆れられていたのだけれど、かえってそのことが彼女の自立を促したり、変なプレッシャーかけずにすんだのかな、なんて思ったり。結果オーライなのだ。
最近の私は家人との長距離ジョギングにはまっている。これから娘たちが成長すると、こうして家人と二人で過ごす時間はどんどん長くなるのだろうな。二人で20キロだらだらとおしゃべりしながら湖岸から川べりを走る。湖岸で砂を蹴りながらラグビーボールを追いかける男子高校生の軍団、漕艇場で船を川面に浮かべる漕艇部の高校生、大学生たちを眺めながら、家人と私が出会った年頃の人たちがいつの間にか私たちの子どもほどの年頃になっていることに気づく。二人して「若いってそれだけで、素晴らしいね。」なんて老夫婦みたいな会話をしながら、だらだらと走る週末。それはそれでいいもんなのだ。

とぎれとぎれではあったけれど、この日記を始めて10年が経過してた!始めたころの私の日々は、退屈でおもしろくもないと思っていたけれど、今となると、あのころはなんて子どもたちと素敵な日々を過ごしていたんだろう!なんて思う。でもでも、今の毎日もそれはそれで面白いのだ。